2007年11月29日
家
僕は広島県の三原市に生まれ、妻は現･尾道市に生まれた。
僕は19歳から8年ほど東京で暮らし、三原に戻った。
実家から通い始めた建設会社に勤め、妻と出会い、出会いから一年待たずして結婚をした。
出会いの様子はこのページの中段で詳しく書かれている↓↓↓↓
http://www.aiueoffice.com/main.cfm?PID=Synchro&TargetID=0&NextID=2177
2001年の2月から借りて住みはじめた一軒家。
妻の知り合い人のおじいさんが住んでいた家。
おじいさんが亡くなって誰も住まなくなり、空き家になるのは無用心だからぜひ住まないかと誘われた家。
建ってからは30年以上経っている家を、借りる前に妻と下見した際には『ここに住めるのか？！』と思えるほど、古びた感じで朽ちている部分も沢山あった。
しかし、住む事にした。
貸主が援助してくれて修繕をし、僕の父が壁を塗り替えたり、ふすまを張り替えたりと、ありがたい協力で家は整った。
しかも、家賃は3万円。善意としか思えない金額である。
当時一番高くて大きいテレビを買って、詳しくもない音響にこだわって、何度も妻とも映画を見た。
書斎と題して一部屋をあてがったが、2人で宅建の試験勉強したとき意外は、思ったほど使わなかったかもしれない。
結婚当初から、沢山の友達が遊びに来てくれた。一軒家ということもあり、思い切り騒いで盛り上がったものだ。
そして、娘が生まれた。娘が生まれ育った家。
バブバブから、ヨチヨチ歩きまで。階段を上り始めたり、はっきりとしゃべりだしたり。
柱には娘の身長が刻まれている。
僕が仕事から帰ると、嬉しそうに走ってきた廊下。その廊下を走ってくるその道程がどれほど嬉しい距離だったか。
庭では、毎年冬には見事な梅の花を咲かせてくれた。もう梅は見られないかもしれない。
そして、僕たちは引っ越すことを決めた。
色んな理由はあるがマイナスな理由は一つもない。
ただ、今後の家族のために環境を変えようと思った。
すると、まだ引越しを決めたことを知らない貸主の人が、偶然にも電話をしてきたらしい。
『申し訳ないんじゃけど、娘が家を建てるけえ数ヶ月以内に空けてもらえんじゃろうか？』
妻は、引っ越しを決めていたことを伝えて、大きな偶然に納得をした。
引っ越すことは必然で決まっていたことだ。
7年弱住んだ家。僕たちの結婚から娘の今まで全てを見てきた家。
借家であるが、僕たちを見守ってくれた家。
数ヶ月以内に取り壊される家。
引っ越しで、家を最後に出るときには胸が締まった。
荷物を出して、家は家そのものの状態になっていた。
そして、家族3人で全てに部屋に、トイレにもお風呂にも『ありがとう』と声をかけた。
娘が走って迎えてくれたその廊下がとても優しく見えて、切なかった。
すべては感情である。
そして、その家に僕たちは大きな感情を感じている。
家は取り壊されたとして、僕たちはきっと忘れない。
家での全ての思い出を。その時の感情を。
僕たちの頭の中で毎年、その梅は花を咲かすだろう。
引っ越して5日経つが、その家は岡山での新しい生活もきっと応援してくれているはずだ。
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コメント一覧
なんか、すごいですねぇ。
上手い言葉がでてきませんけど、必然なんですねぇ。
家族の思い出が染み付いた家を出るときは、本当に切ないですよね。
壁のしみも、カーペットのへこみも、キズも、すべてが思い出がこもっていて。
家具がなくなると、今まで温かかった家が、急にガランとして、
ちょっと温度が下がって、
ああ、離れるんだなあ、と思っちゃいますよね。
でも、新しい家で、また素晴らしい思い出が待ってるはず。
何かを捨てるからこそ、素敵なものが手に入るという、
永遠の真実を思わされます。
今までのお家、長い人生（？）、ご苦労様でした！！
めぐさや先輩を心から愛している後輩のランゼです。。詳しい事情はわからなかったのですが、
偶然と言う必然の中、岡山に引っ越されたのですネ。。
とても、とても、よく分かりました。
これからも、よろしくお願いします
（慎吾さんには、私が誰だか分からないでしょうね）
応援しています。
